ウォーキングデッド・コミック 169話 “Lines We Cross” あらすじ・考察・感想

ウォーキングデッド コミック 169話 表紙のリックの後頭部に銃を突きつけるDwight コミック あらすじ ネタバレ
ウォーキングデッド コミック 169話 : Lines We Cross
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169話の表紙は、しゃがむリックの後頭部に銃口を突きつけた戦闘服を来た男。Dwightのように見えます。タイトルは、”Lines We Cross”です。Lines We Crossは、一線を超えると言う意味です。Dwightであれば、表紙とタイトルの表す意味が合致します。

ネタバレ

カールのアンドレアとの思い出

カールが墓の前に座っています。リディアが近づいて、カールの背中に手を当てます。「ベンとビリーと言う名の二人の少年がいた。彼らの両親は死んだ。同じ時ではないけど、… それは重要なことではない。アンドレア… 彼女はその時、Daleと言う男と一緒だった。彼ら(Daleとアンドレア)は、少年たちを引き取った… 彼らの両親のようなものになった。彼らは養子となった。」

「彼ら(ベンとビリー)は、俺よりも若かった… 起こったこと全てが、さらに彼らに影響を与えた。彼らを混乱させた。ベン、彼は… ある日、ビリーを殺した。彼は、ナイフでビリーを刺した。彼は、理解していなかった。彼はビリーは蘇ると思った。そして、全ては大丈夫になると考えた。… 悲惨なことだ。不幸な少年は、自分がしたことが何かすら認識できなかった。」

「これは、全ての人を不快にさせた。そして、とても白熱した議論となった。殺すということを理解しない子供をどの様に扱うか?当時、俺達は車、テント、俺達が見つけた何でもの中で寝ていた。家に滞在する時は、俺達は皆一緒に泊まった。彼がいると安全ではなかった。」

「誰か、俺には誰かは思い出せない、誰かが彼を殺す案を持ち出した。当時、それが唯一の選択肢のように思えた。俺達が寝ている時に、彼は俺達の誰でも殺すことができる。アンドレアは、それに耳を貸さなかった。彼女は激昂した — 彼女には、その様な事が提案されたことすら信じることができなかった。彼らは、その夜、バンの中に彼を閉じ込めた。彼らは、朝、彼をどうするか決める予定だった。俺は、彼らの話を聞いていた。彼らは、『どうしたら、我々が子供を殺すことができるか?』と言うようなことを言っていた。彼らは、する必要があることは分かっていた。しかし、どうやってするかは、分からなかった。」

「だから、俺は、皆が眠っている間にバンの中に入って、… そして、彼を殺した。俺は、別の少年が、少年を殺すのであれば、OKだろうと考えた。または、少なくとも、より簡単だろうと考えた。俺は、俺が手伝うことができる方法の様に、その役目を取りたかった。俺は、誰にも話さなかった。翌日彼らが起きた時、彼は死んでいた。人々は、誰かを疑った。… しかし、誰も知らなかった。

最終的には、俺は俺のダドに話した… しかし、アンドレアにはしなかった。何年も後になって、… ニーガンとセイバーズとのビッグファイトの後に… 俺達は成長した、身近に(親しく)なった、そして、その事を彼女に話さないことに罪悪感を感じるようになった。」

「それで、俺は彼女に話した… そして、彼女は泣いた。彼女はたくさん泣いた。そして、彼女は、目から流れる涙を拭うと、彼女は俺を見て、「あなたを愛しているわ。と言った。」カールは、涙を流しています。

「俺の親父は、お前の両親はどんな事があってもお前を愛すると言ったことがある。彼らは、お前のことを恥ずかしいと思ったり、失望したりするかもしれない。そして、その時のお前という人間が好きですら無いかもしれない… しかし、彼らは、常にお前を愛する… お前が何をしても変わらない。」

アンドレアの墓標に向かって、「だから、アンドレアを”ママ”と呼び始めた時は、それからなんだ。」

リックとマギーの会話

人々がアレクサンドリア内の後片付けをしています。歩いてくるリックを見て、作業している男性が帽子を脱いで胸に当て、頭を下げます。「そんなことはしないで下さい。私に構わず、作業を続けて下さい。」

マギーとリックが会っています。「リック? このことを今することについて、本当にごめんなさい。でも、ただ待っていることはできなかった。」

「分かるよ。それで、何についてのことかな?建物の中に行こう。」

建物の中の部屋でリックとマギーがテーブルを挟んで話をしています。

「どうして、その様な事ができるの?どうして、彼を外に出しているの?彼は、今、外にいて、自由よ。リック — なぜ?

私は昨日、眠ることができなかった。」

「それは、いろいろ込み入った事情がある。」

「ごめんなさい。あなたは…」

「違う。そのような意味ではない。率直に言って、今はこれまで以上に君がどのような気持ちだったのか理解できる… もし、彼がアンドレアを殺したのだったら… 私は分からない… 」

「それなら、なぜ、彼は自由なの?」

「私は今のニーガンを見ている。そして、正直な所… 私が何人の夫を殺したのかということを考える… 何人の妻をもだ… 私は彼がしたことの言い訳をするつもりはない。私は、未だに毎日、グレンのことを思っている。それは、辛いことだ。しかし、私とそれほど何が違うのだろうか(自分と違わない)と考える事に取り憑かれている。」

リックは、ニーガンと自分がしてきたことに大きな違いはないと思うようになってきていることを、マギーに告げています。方法は違って、与える印象は異なりますが、実際にしたことに大きな差はないと思っているということです。ただ、この話は、マギーにはとても理解して納得できるようなものではありません。

「本気で言っているわけ…  あなたは比較することはできない。– 」

リックは手を持ち上げ手のひらをマギーに向けて、「君が私に同意してくれると期待はしていない。… しかし、わたしはあの男を殺すことはできない。そして、彼を終生閉じ込めておくことも正しいことだとは感じない。もしも、それが助けになるのなら — 彼は、ここに滞在することは認めない。(ウィスパラーズなどとの)争い・衝突が終わったら、直ぐに彼は出ていくというのが約束だ。彼は、もうすぐ出ていく。」

「それは随分、親切なことね。」とにらみます。

ユージンとステファニーの無線会話

ユージンが無線機に向かって話をしています。「フ〜。僕も君が恋しかったよ。」

「あなたが随分長い間出なかったので、私は少し心配していたわ… それから、誰か別の人が無線に出た時、私は最悪の事態となったのかと怖かった。どうぞ。」

165話で、ウォーカーズの大群がアレクサンドラ内に押し寄せてきた時、Siddiqとアニーは、ユージンの家に避難しました。その時、Siddiqはステファニーからの呼びかけをユージンの無線機から聞いて、応答しました。

「誰か別の人?君は、ここで誰か別の人と話をしたのか?どうぞ。」

「男の人だった。私はその人の名前を書き取った。ちょっと待ってて… Siddiq。彼は、彼の名前はSddiqと言ったわ。彼は、あなたはいないと言った。そして、私が誰か聞いた。酷く驚いた様子の声だった。私は答えなかった。私はあなたとしか話をしないと言った。どうぞ。」

「こちらの状況は大混乱状態だった。デッドが壁を超えて入ってきた。Siddiqは、良いやつだ。彼は、安全のためにここに隠れていたに違いない。もし、彼が君を驚かしてしまったのであれば、謝る。 — 」ドアをノックする音がします。

「誰かがドアをノックしている。こちらの状況は緊迫している。… 私は…  我々は、また後で話をしよう。すまない。どうぞ。」と言って、ユージンは無線の会話を一旦終了します。

ドアを開けると、リックとSiddiqが立っていました。「無線について、話してくれ。」とリック。

ユージンの家の中の無線機のあるテーブルを囲んで、ユージン、リック、Siddiqが座っています。「私は、君がこのことを私に話さずにいたことが信じられない。私は、彼女と話す必要がある。」

「彼女は、他の人とは話を — 」「ユージン、私は、彼女と話をする必要がある。」

リック、ユージン、ステファニーの無線会話

「ステファニー、いるかい?どうぞ。」

「いるわ。ドアの所にいたのは誰だったの?皆さん、大丈夫?どうぞ。」

「私達のリーダー、リックグリムスだった。私は、約束したように、彼に君について話していなかった。しかし、Siddiqが彼に話した。すまない。しかし、彼は君と話したがっている… どうぞ。」

「No。私はあなたに言った。私はあなたとしか話さない。私は、あなたしか信用しない。私は、これ以上リスクを取ることはできない。どうぞ。」

「ステファニー、お願いだ。君が私を信用するように、リックを信用して欲しい。我々は、ここで厳しい状況になっている。君がリックと話をすることは重要なんだ。お願いだ。私は、君が私を好きな以上に彼(リック)を好きになることを約束する。どうぞ。」

「ステファニーだね?聞いてくれ、こちらはリックグリムスだ。私は、このコミュニティーのリーダーだ。そして、我々は100人以上の人を安全に保つコミュニティーのネットワークに属している。我々は、最近、我々のホームを失った。我々は、沢山の事を再建しなければならない。そして、もし君が私が思っているような大きなコミュニティーだったら、君たちは助けてくれると思っている。我々は、助けが必要だ。どうぞ。」

「答えてくれ。」とユージンも言います。

「どの様に私達が手助けできるか分からない。私達の距離は離れすぎているように思う。どうぞ。」

「当初、我々のコミュニティー間の距離は離れているように思えた。その後、時間をかけて、我々はコミュニティー間に安全なトラベルルートを確保した。再び、ある場所からある場所へ移動できることを可能にした。我々は、君たちともそれができる。」

「聞いてくれ。これは、信用・信頼についてだ。分かっている。君は、ユージンと数週間ん話をしてきた。そして、君は彼から情報を引き出そうと試みはしなかった。君は、我々を攻撃するつもりはないことを、私は確信している。私が推測する君が通信を行って求めている最終的な目的と全く同じ様な協力関係を私は提案する。どうぞ。」

「続けて下さい。どうぞ。」

「場所は君が選ぶ。君のところから近い場所で、しかし、私達が君たち(のコミュニティー)を見つけることができるほど、近すぎない所。我々はそこまで行く(旅行)する。そして、君たちは、我々の到着を準備することができる。

我々は、小規模なチームを君の選んだ地域に送る。我々は完全に(武力的に)弱い状態でいる。我々が到着した時、君達が見て好きではなかったら、コンタクトしない。全て君たちの手の内だ。どうぞ。」

「私はその話を私達の側の人に納得させることができると思う。一日下さい。どうぞ。」

無線の会話後、リックとユージンは、外を歩いています。「あの提案は、本気なのですか?私は彼女を信用している… しかし、私は彼女をそこまで信用できるかは、分からない。」とユージン。

「我々は、リクスを取らなければならない。今は、隠し事をするような状況ではない。得られる協力は全て得る必要がある。引き続き彼女と話をしてくれ。彼女が不審なことを言ったら、教えてくれ。私はチームメンバーを集める。」

「私は、そのチームに含まれなければいけない。彼女は私を信用している。」

「OK。分かった。」

リックは、一人でそのまま歩いていきます。Dwightが作業をしています。「Dwight、ジーザスを見なかったか?」、「No。作業に集中しすぎていた… 彼を見たとしても気づかなかったと思う。」

「すまない。」

「あんたは、引き続き働き蜂のように忙しそうにしてれば良い。それが、あんたがここをまとめて保っていると皆に思わせる。あんたは、その評価を得ることを確保する。」

「私は、今、あることについて取り組んでいる最中だ。しかし、それが終わったら、君と私は、座って、話をする。いいね?」

「俺も、そうしたい。」

マギーとカールの会話

マギー、ダンテ、ブリアナが荷物を馬車の荷台に積んでいます。そこに、カールがやってきました。「もう、荷造りしているの?」

「皆は、物を寄付してくれている… どこかに保管しなければならない。それだったら、積んだりした方が早いのよ。明日か明後日には、出発するわ。再建を始めなければ、再建は決してできない。私は、私達(ヒルトップ)の人々が、ここで快適になりすぎるようにはさせられない。」

「あなたが、俺のことを心配してくれているなら、無用だ。ヒルトップが、俺の家だ。俺は、再建を手伝う。」

「カール、誰もあなたが私達と一緒に戻るとは思っていないわ。起きた後で –」

「なぜ?それで何が変わる?」

「あなたのお父さんについてはどうかしら?あなたは彼を残して、出ていくの?」

「俺は、彼には話していない。」

「彼は分かる。彼は、ここで俺を必要としていない。」

「あなたは、何が必要なの?」

「俺は、俺自身の生活で暮らす必要がある… ここ以外の所で。」

リックとジーザスの会話

部屋の中でリックとジーザスが話をしています。

「何を考えている?」とジーザス。

「君の予想外のものはない。これらの人に会う。彼らを分析する。我々が彼らを信用できるか確認する。危険性もある。しかし、これらの人々は、既に信頼に値するように思える。できれば、私自身が行きたい。」

「オハイオ? その様な旅行は数週間かかる。私は、NOと言わざるを得ない。私は、この様なことをこれ以上したくない。私は、ここに滞在することで価値のあることがある。もしも、あなたが他の誰も見つけることができなかったら、もし、あなたが必死だったら、私はあなたの申し出を断らない。しかし、私はあなたが他の誰かを見つけてくれることを希望する。」

「アローンは、これを彼だけで対応することができると確信している。彼は、壁の外の遠くに行くのは慣れている。」

「う… 実は、ここに滞在することで価値があることと言ったのは、ある人のことだった。実際には特定のある人だ…」「… アローンだ。アローンについてのことを話していた。彼はも行きたがらないだろう。」と頭の後ろをかくような素振りをするジーザス。

「ああ、それならOKだ。おめでとう。私は嬉しく思う。」

リックとDwightの会話

夜、リックがDwightの家を訪問します。Dwightは、家の外のポーチの所にいます。明かりは点けていません。

「Dwight、我々の間にあるバカげたことについて収束させる必要がある。なぜなら、私は君の助けが必要だからだ。私は、君に私の代わりに旅行に行って欲しい。別のグループが存在する。我々は、彼らと連絡を取る必要がある。」

「悪いが… それはできない。」

「Dwight、なぜだ?」

「起こったことについては、残念に思う。最近の君の行動について、驚いている。私は、全く理解できない。君は私のことを知っている。私は決して…」

「俺は、ここは俺が指導するほうがより良いように感じている。俺は留まって、運営するべきと考えている。リック、あんたの時代は終わったと俺は思う。」

「何だと?」

「君はセイバーズを指導(リード)したくなかったが、今、ここの指揮を取りたいということか?気持ちの変化を私に説明してくれ。」

「俺は、セイバーズを指導したくなかった。なぜなら、そこに煮えたぎっているものがあったからだ。怒りと憎しみだ。俺は、そこに属したくなかった。今、その憎しみの原因が分かる。リック、あんただ。」

「あんたの行動は、我々全てに影響を及ぼす… そして、あんたは未だに、単に衝動的に行動している。あんたがしていることは正しいと確信している。」

「なぜなら、あんたは正しいことを行っていると思っているからだ。… それが何であっても、あんたがしているから正しいと考える。」

「そのことが、俺が愛する女性を殺すことですらあってもだ。」と言って、Dwightはリックに背を向けます。

「シェリーは、私を攻撃した。私は、防御しただけだ。」

「それがあんたが起こったことにするあんたの考え方なのは分かっている。… しかし、どうしたら、知ることができる?俺ができることは、それはあんたの言葉を信じなければならないだ。」

「あんたは、全ての事をコントロールできていると俺に言いたいということは分かる。あんたが冷血で女性を殺すような男だとは、俺は本当に思っていない。あんたが言った起こったことも大筋は信じる。

あんたは、俺達が絶対に抵抗することができない時に、セイバーズとの対峙をエスカレート(激化)させたと言う事実は残る。

そして、あんたはその対峙をニーガンに収めさせた。俺達が絶対に信用することができない男にだ。」

「俺は、俺が頼めば付いてくれる(味方になってくれる)と信じる俺の兵士達とここに座っているわけではない。俺は、ドアを閉めた状態であんたと話をしている。(他人には聞かれない状態で話をしている。)

俺は、この会話をショットガンをあんたの後頭部に突きつけながらすることだって簡単にできた。だが、していない。俺は、俺がどれだけここで理にかなっているかあんたに認識してもらいたい。ここの人達が必要なのは俺だ。あんたの時代は終わったんだ。」

ここでのDwightの発言でのもう一つのシナリオ、連想(仮定)が、本話の表紙となっています。

リックは、Dwightに背を向けて、「この会話は終わりだ。」と言って、ポーチを降り始めます。「何?」とDwightは言います。

「一つのコミュニティーは、破壊されてしまった。そして、もう一つのコミュニティーは、攻撃から混乱している。私は、妻を失ったばかりだ。そして、少し前に、新しいより大きなネットワークのコミュニティーを発見したばかりだ。

私はこのことについて今、時間はない。そのため、言ったようにこの会話は終わりだ。」

「しかし、私はDwight、君を見ているぞ… 両目でだ。それで、君がこの馬鹿げたものをもう一度私の所に持ってくる時、理にかなったものか、それ以外か君が選んだスタイル何でも… 一つのことだけは心に留めておけ。

私は、怒りが私の内側で鬱陶している。この様な時は、コントロールするのが本当に難しい、そして、止めたい。Dwight、私に止めさせる理由を渡すな。

この時点であるからこそ、もう一つの墓が何だ?」

リックとミショーンの会話

墓の所にいるリック。後ろからミショーンがやってきて声をかけます。「あなたが、トリップに行く人を探していると聞いた。」

「君ではない。君は、別の所に必要だ。」

「キングダムには必要ないわ。昨日、ウイリアムと話をした。彼は、既に人を集めて、ヒルトップの再建の手伝いに出かけた。彼らは、手が足りている。私が入り込むと誰かを怒らせることになる。」

「私は君がここに必要だ。すまない。今回のトリップではない。」

「それを私から取り上げないで頂戴。もし、私が行きたいのであれば、私は行くわ。そして、私は行きたい。あなたには、ここにジーザスとDwightがいる。あなたはカバーされている。私は、マグナとYumikoを連れて行く。彼女達とは、群れの誘導でうまく一緒に作業ができた。Siddiqも行きたがっている。私達は、お誂えの部隊が揃っているわ。」

「そうか、もし、君が既に気持ちを決めているのであれば… 私は君と言い争うつもりはない。」

「リック、あなた、ここで寝ていたの?」

「私は、最近、あまり寝ていない。」

「自分を大切にしてね。古い友人さん。」

リックはアンドレアの墓の前に座ったままです。

リックとカール出発前の会話

「ダッド?」とカールが声をかけます。

「座りたいか?」

「No。僕は長くいない。マギーは、今日出発する。彼女達は、Barrington Houseを再建築し始める。… 僕はそこにいるべきだと感じている。手伝いたいと思っている。」

「とすると、これでさよならか?」

「ごめんなさい。ぼくはただ… 僕はここにいたくない。悲しすぎる。僕は、ママとダドとここに住んでいた… 幸せだった… そして… 希望を持っていたことを思い出す。」

「カール、OKだ。分かるよ。」

「怒らないの?」

「お前は自分の生活があるから。そして、そこで暮らしたいのだろ?息子よ。怒らない。私は自慢に思う。」

二人は抱き合います。

ニーガンの出発と見送るDwight

缶詰などが保管されている部屋の中で、ニーガンが缶詰を選んでいます。部屋の壁にもたれかかって、Dwightがニーガンを監視しています。

「ポークとビーンズ。俺が合っているか?俺が言いたいことは、俺次第。全ての種類の缶を一つずつ取って、それ以外は食べない。吐いて死ぬまで食べ続ける。俺は幸せな男で死にたい。そして、ビーンズは古い穴と新しい穴から出てくる。新しい穴は、俺が開けたものだ。」

「荷物を詰めて早く行け。」

「これほど沢山の食料を詰めさせることを認めてくれて例を言う。これで、おれは数週間は大丈夫だ。その間に自分のことは考える。」

無言のDwight。

「俺の女を埋めたあの住宅街を考えている。彼女の傍にいたい。」

「時間だ。行け。」

ゲートからニーガンが一人で歩いて出て行きます。Dwightは、ゲートを一人で閉めています。「OKだ。おれは、大きな見送りを期待していなかった。全くな。」

Dwight以外の見送りがいないことに不満げなニーガン。😉

マギー達とミショーン達の出発

「開けておいてくれるかしら?」とマギーがDwightに声をかけます。ヒルトップの一行がゲートに近づいてきます。大人数です。

「あんた達が既に出て行くことを知らなかった。」

「ヒルトップは、なにもせずに再建はされないわ。私の代わりに、リックの面倒を見てくれるね?」

無言のDwight。

マギーの隣に馬に乗ったミショーンがやってきます。

「だらだらした時間は決して無いわね?」

「あちらで、気をつけてね。どの様な事が起こるか全く分からないから。」

「有名な最後の言葉が飛び出したわね。しかし、私達が既に直面したことよりも悪いことがあっちであると、あなたは本当に思っているの?」

「木をノックして、うさぎの足を拭いて、鏡を糊で合わせる。そのようなレベルの運命を求めるようなことは、私は近寄りたいとも思わない。」

験を担いだり、おまじないに頼るようなことは、マギーは一切したくない。と言うような意味です。

「あなたの信念の強さは筋金入りね。」

コニーとケリーがゲートの所で、馬に乗ったマグナとYumikoを見送りに来ています。「二人共、あちらでは気をつけてね。」とコニーが言います。

「あなた達二人は、面倒を見合うのよ。あなた達がやっと一緒になって、私はとても嬉しく思う。私達は、置きざりにされる前に追いつく必要があるわ。」とマグナ。

ミショーン、ユージン、Siddiqが馬に乗って進んでいきます。後ろから、マグナとYumikoが追いかけてきます。その後ろに別方向に向かって、マギー達ヒルトップの一行が進んでいます。

「ダンテ、あなたが急げば、ニーガンに追いつくことができる。私はあなたに彼の後をつけて欲しい。そして、彼がどこに落ち着くのか知りたい。」

「私は、あの怪物の行き先を見失うことはさせない。」

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感想と考察

168話は、現リーダーのシェリーが死んだことを知らされたジョンとセイバーズ達を、ニーガンが間に入って、セイバーズ達を押さえて無事に引き返すようにさせました。カールは、アンドレアの墓の前に座っています。しかし、シェリーの死によるリックへの疑い、それに加えて、セイバーズとの不穏な対峙の状況に、リックがDwightを制してニーガンに仲裁させたことにDwightは承服できない様子でした。

169話は、墓の前に座っているカールで始まります。リディアがカールの隣に来ると、カールは昔の話を始めます。カールの話は、親以外には話したことのない暗い過去の過ちに付いてのことです。その事をアンドレアに話した時の思い出とその時のアンドレアの態度とカールを愛していると言われた後から、ママと呼ぶようになったことをリディアに話しています。この様な話をリディアにすることは、カールがリディアを本当に親しい特別な人として考えていることを表しています。

マギーとリックの話し合いは、ニーガンについてです。ニーガンが自由にアレクサンドリア内を行動できていることは、マギーにとってはとても承服できるものではありません。リックがなぜ、認めているのか問いただしたくなるのは、当然のことです。ニーガンが行った詳しい内容は、会話の中でリックは割愛して、自分とニーガンは大差はないという様な話をします。その説明もマギーにとっては、納得できるようなものではありませんでしたが、リックは同意してもらうことは期待していないと断った上で、自分はあの男を殺すことはできない。そして、一生、牢に閉じ込めておくことも正しいとは感じないと言います。しかし、マギーの気持ちを少しでも和らげる事を含めて、アレクサンドリアに居続けることは認めないこと、彼は近い内に出ていくことを告げます。マギーは、納得はしていませんが、それ以上、ニックに対して何かを強く求める様子ではありません。

ユージンは、ステファニーとの無線の会話を再会しますが、会話中にリックとSiddiqが尋ねてきます。リックは、Siddiqから無線機の話を聞いて、ユージンに説明を求め、ステファニーと話をする必要があると言います。

ユージンはステファニーを無線で呼び出し、ステファニーもすぐに応答します。ユージンは、誰にもステファニーのことは話していなかったが、Siddiqが無線を見つけて、ステファニーがユージンに呼びかける声を聞いたことを、コミュニティーのリーダーのリックに話したと説明します。ユージンは、リックは信用できることを強調し、話をしてもらうことを頼みます。

リックは、コミュニティーが攻撃の被害を受けて、これから再建していくこと、ステファニーが属するような大きなコミュニティーの手助けが必要だと説明します。そして、ステファニーが無線で呼びかけてきたことは、生き残っている他のコミュニティーと協力し合うことを求めていることが目的だったのではないかと推測していると言い、ステファニーのコミュニティーの近くまで小規模のグループを派遣して、落ち合うことを提案します。ステファニーは、リックの提案する条件であれば、彼女のコミュニティーの運営者達に伝えるので、一日待って欲しいと言います。

リックの提案は、ユージンですら驚くほど、踏み込んだものでした。ユージンは、ステファニーを信用しているが、リックが提案するようなところまで信頼はできないと言います。リックは、リスクを取る必要があること、コミュニティーは手助けが必要な状況であると答えます。

次にリックはDwightと話をします。Dwightの受け答えは、いつもと様子が異なります。シェリーのことがあるので、リックも踏み込んで話はせず、一段落した所で、後で話をしようと言います。

マギー達は、既に荷造りをしています。マギーは、カールはアレクサンドリアに残ると思っていましたが、カールも一緒にヒルトップに戻る意思を伝えます。

リックは、新しいコミュニティーとの接触の任務をジーザスに頼みます。しかし、ジーザスはアレクサンドリアに留まる理由があると断ります。アローンもできるがとニックが言い始めると、ジーザスがアレクサンドリアに留まりたい理由は、アローンであること、アローンも旅には出たくないことを伝えます。リックは快諾し、二人がペアになったことを祝福します。

その日の夜にリックは、Dwightに会いに行きます。リックは、Dwightにユージンが見つけた大きなコミュニティーとの接触を依頼しますが、Dwightは断ります。リックはなぜかと尋ねると、Dwightは、自分がアレクサンドリアを導くほうが良いと考えていると答えます。リックは、Dwightはセイバーズを指揮するのが嫌でアレクサンドリアに来たのに、なぜ、アレクサンドリアを指導することが良いと考えるようになったのかと聞きます。

Dwightは、セイバーズのリーダーを辞めた理由は、彼らが怒りと憎しみで煮えたぎっていたからだと答え、そこに自分が身をおくことが嫌になったと答えます。そして、その憎しみの原因をリックが作っていると言います。Dwightの立場から見ると、シェリーの死の直接的な原因はリックであること。個人的に憎しみを持つニーガンが自由に行動することをリックが認め、更には緊迫したセイバーズとの対峙をリックがニーガンに任せたことが許せない気持ちとして、憎しみに近い心情となってしまっているのだと思います。

Dwightは、リックの後頭部に銃を突きつけて話をすることもできたがしなかったと言います。この仮定の話が、169話の表紙になっています。タイトルの”Lines We Cross”は、超えてはならない一線を超えると言う意味です。実際には超えていないと思いますが、心情的には超えているところが双方にあると思います。

Dwightの過激な発言に対して、リックはこの会話は終わりだと言って、立ち去ろうとします。Dwightの想定外の行動です。リックは、懸案の課題が山積みであることに加えて、アンドレアを失っています。精神的にギリギリの状態です。その様な時に、まともにこの様な発言をするDwightの相手をしている暇も心のゆとりも無いということをはっきりと言います。

アンドレアの墓の前にいるリックの所にミショーンがやってきます。ミショーンは、新しく見つかったコミュニティーとの接触の旅に行く話を聞いたとリックに言いますが、リックはミショーンに行ってもらうことは考えていませんでした。しかし、ミショーンは、自分が行きたいと言って、メンバーの人選も既にしていることをリックに話します。リックもミショーンが決心したのであればと承諾します。

ウィスパラーズとの戦争時、そしてウォーカーズの大群の襲来の緊急時には、結束が固く、意見の衝突も全くありませんでしたが、危機が去った後で、一気に意見の衝突やリックの思い通りに人が動いてくれないことが多発しています。リックは、コミュニティーとの接触の度は、ジーザス、アローン、Dwightの順で考えていました。全て依頼を拒否され、行って欲しくないと思っているミショーンが行きたいと言って、認めるという展開となっています。

そして、カールがヒルトップ一行と共に出発するために別れを告げに来ます。カールに対しては、リックは穏やかな態度で、カールの意思を尊重して、承諾し送り出す言葉を贈ります。

ニーガンは、アレクサンドリアを出ていく前に食料を選んでいます。Dwightも、ニーガンを憎む気持ちは変わらず持っていますが、ニーガンの好きにさせます。心の中では、リックの判断が正しいということを分かっていることを物語っています。そうでなければ、Dwightは理由をつけてニーガンを殺しています。ニーガンは、Dwight以外誰も見送らずに出て行きます。ニーガンの背には銃があります。銃と食料も与えられていることからも、ニーガンに対する配慮が感じられます。

直後にマギー達、ヒルトップ一行とミショーン達がゲートに来ます。Dwightは、マギー達が出発するのを知らなかったようです。マギーはDwightに、リックの面倒を自分の代わりに見てくれと言います。それに対して、Dwightは無言です。しかし、マギーのこの一言は、Dwightに大きな影響を与えたと思います。

マギーの愛する夫を彼女の目の前で残酷な方法で殺した男を自由にしたのがニーガンです。Dwightは、シェリーを失い、リックには愛する妻と言っていますが、シェリーとの関係はかなり前に終わっています。そして、シェリーの本質も分かっています。168話でセイバーズと対峙した場を収めたニーガンを、マギーも見ていたことをDwightは知っています。マギーがニーガンを許せない気持ちを強く持っていることは、Dwightも良く分かっています。そのニーガンを自由にさせているのがリックです。マギーが、Dwightに対して、リックをよろしくと言ったのは、Dwightには本当に衝撃的だったと思います。マギーの一言で、Dwightは考え直すことになると思います。本当は自分の中でも分かっていること、しかし認められない事が起こった不満の対象としてリックにぶつけていることを自覚していると思います。

一方のマギーですが、ニーガンを追跡するようにダンテに指示しています。リックの判断に対しては、心情的には受け入れていなくても、実質的には受け入れる一方で、やはりニーガンのことは許せないようです。ダンテは、あまり乗り気でない感じですが、マギーの頼みなので、追跡はすることになると思います。

新たなストーリーへの展開が広がりつつあります。ウォーキングデッドのコミックは、本当に人間関係や心理描写、葛藤などが見事に演出されていると思います。

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英語版ウォーキングデッド コミック 169話

Amazonでは、原語の英語のペーパーバックやKindle版もAmazonで入手できます。ウォーキングデッド、オリジナルコミック169話(英語)は、Kindle版で購入可能です。

Kindle版は、1話単位で購入できます。価格も比較的廉価です。

ストーリーを楽しみながら、英語に馴染む素材としたり、英語の勉強を兼ねて読むのも一つの選択肢です。その様な楽しみ方のサポートをできればと考えて、本サイトでも1話ごとのあらすじと感想、考察の記事を投稿しています。

英語版のペーパーバック、またはKindle版を入手して、本サイトの記事をコンパニオンとしてご利用頂ければ、幸いです。

169話で登場する英語のイディオム

be taken aback

リックがDwightの家を尋ねて、新しく見つかったコミュニティーとの接触の旅に行って欲しいとリックが頼んだ時に、Dwightは断ります。なぜだ?と質問し、”I’m sorry for what happened, more than I can say, but I’m still take aback by how you’re acting lately. I don’t quick understand it.”と言います。

“be taken aback”は、誰かが言ったり、誰かにされることについて、驚かされる。または、ショックを受けると言う意味のイディオムです。

「言葉で表す以上に、起きたことについて残念に思う。しかし、最近、君の行動、態度には驚かされている。私には全く理解できない。」と言うような意味です。

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