ウォーキングデッド・コミック 179話 “New World Order 5 of 6” あらすじネタバレ・考察・感想

背後からコモンウェルスのガードに銃を突きつけられるユージン コミック あらすじ ネタバレ
ウォーキングデッド コミック 179話 New World Order 5 of 6 表紙 ユージン
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179話の表紙は、背後から銃を突きつけられているユージン。銃の形状は、コモンウェルスのガードが持つ銃剣です。ユージンは、ミショーンの刀を背負っています。

ネタバレ

エローディーを殴ったセバスチャンと対峙するミショーンに、「私達のコミュニティーを知ることは重要なことよ。」とエローディー言った所からの続きです。

「それはどういう意味?」とエローディーに聞くミショーン。エローディーは俯いて無言です。「エローディー!それはどう言う意味なの?」と再度聞きます。セバスチャンが二人に近づいてきます。

「それは、お前達、人々は俺のファミリーにすべて借りがあると言う事だ。俺達なしでは、警備も安全もない。だから、バカげたことをしでかす前に、何がリスクなのかを考慮したほうが良い。」

「セバスチャン、あなたのお母さんは、あなたを自由にさせている。しかし、あなたが歩き回って、理由もなく住民をひっぱたいたりすることを彼女は望んでいないことは分かるだろう。」とMercer。

「理由もなく?」とセバスチャン。

今度は、Mercerをひっぱたくセバスチャン。「ポイント示すためにやったんだ。」

無言で険しい顔をするMercer.

「そして、俺は… そのポイントを示したと思う… だから俺は行く。」

「それはあなたにとって、最良の事だと思います。」とMercer。

セバスチャンは立ち去ります。

「コモンウェルスは、悪いりんごが少なからずある… しかし、幸いなことに、とても大きい。あんた達が数週間滞在しても、その様な輩に会わずに済むことを誓う。そして、ここの外側では、皆全員知っての通り、ひっぱたくよりも悪いことが起こることは沢山ある。」Mercerは、ミショーン達に言います。

「それが、正しいということにはならないわ。」

「そのようには決して言っていない。我々は一人犠牲者がいただけだと言うことだ。」

Siddiqは、Mercerを見ています。

「だから、今、あんたは蒸気を抜く(鬱積する不満をぶち撒けて抜く事)が時折必要となることが理解できたと思う。」とMercerは、Siddiqに言います。

「ああ、確かに。」

エローディーの部屋の中にユージン達は集まっています。

「Siddiq?『蒸気を抜く』っていうのは何?」とミショーン。

「まいったな。どう説明して良いのかわからないが、Mercerともう一人のガードが、ガバナーのファミリー全員がどうやって死んで欲しいかということ、または、彼らが死ぬのをほうっておく、みたいな事を話しているのを聞いた。

俺はその場に出くわした時は、凄く不安だった。」

「もし、Mercerが『蒸気を抜く』と言ったのなら、それが彼らがやっていることよ。あの男は、運営するようなことは望んでいない。深読みすると、彼は物事の進め方は(コモンウェルスの仕組みは)気に入っていると思うわ。」とエローディー。

「私も同感よ。今日のような出来事はめったに起こらない。上流階級は問題を引き起こしたりはしない。平和なことが、ここをうまく機能させている。」とステファニー。

「上流階級?上流階級って何なのよ?」とミショーン。

「それは、全て以前やっていたことが元になっている。もしも、あなたがこれが勃発する前に、上流階級にいたら、あなたは今、上流階級になる。

全ての人々は、仕事が付与されている。それらの付与は、収入のレベルからくる。以前の収入のレベルによって、割り当てられている。それは、全く不平等なシステムではないわ。」とエローディー。

「そして、一年に一度、上のクラスにあがることに挑戦する、仕事分担に応募することができる。人々は、年を通して、自由時間の間も働いて、上に上がれるように評価に備えている。ハシゴを登っているのよ。」とステファニー。

「ほとんどの人にとって、上流階級は憧れとして映る。そして、何らかで成功してゴールを目指す。」とエローディー。

「その方法は、確かに機能するようなところはあると想像する。我々は、クラス(階級)システムを開発できるほど、十分な人がいたことはないからね。」とユージン。

「ありがたいことにな … 」

「暮らしがビデオゲームのようになるのね。違うレベルになると宣言をするんでしょう?私、興味あるわ。」とプリンセス。

「あんた達、馬鹿げた冗談言っているの?」と興奮して言うマグナ。

「マグナ、止めて。」とYumiko。

「いいえ。私は、ここにただじっとしていて、持つものと持たないもの世界を再構築することがどれほど懸命なことかということについて同意して、うなずいているのを見ていることはできない。これは、常軌を逸しているわ。」

「私は既に十分見た。私は、このクソのどの様なパートにもなりたくない。ホームに帰った後、私は二度と(ここに)戻ってくることはない。」と手を上げて、宣言するマグナ。

「今、ちょっと待ってくれる。マグナ。あなたは、少し過剰反応しているかもしれないと思う。」とミショーン。

「本気?」とマグナ。

「少し、私の話を聞いて。」

「これは悪いことのように聞こえるのは分かる。表面的には、人々をグループに分けて、お互いを競わせるような設計になっているように見える。だから、ええ、それは悪いことだと同意する。

けれども、ユージンが理解しだしているように、これは、文明社会を再構築することに近づけば近づくほど、クラスシステムは避けることができないのが、本当のところなのかもしれないというだけ。」

「私が言いたいポイントは、ヒルトップを見てみたとしたら、全ての人がBarringtonハウスに住んではいないわ。それ以外の人達は、トレイラーに住んでいる。それが、私達がここで見たものよりもどれほど悪いのかしら?そして、もし、彼らが、上の暮らしをするための仕事の機会を与えているのであれば… 私が言いたいことは、見たほど悪くはないのかもしれないということをただ言いたいだけ。」

「間違っていたら、訂正して頂戴… しかし、あなたは、以前、法律家だったわよね?違う?以前、沢山のお金を稼いでいたでしょう?」とマグナ。

「それは、このこととは何も関係はないわ。」

「いいえ。全てのポイントは、それについてのことよ。」

「あなた達は、もしも望むなら、気付いていることを無視して、ここでの時間を楽しめば良い。

私は、人々がまだ正気でいる所に馬に乗って帰るのをただ待っているわ。」

コモンウェルスの街中を歩いているミショーンとエローディー。「今は十分な時間がないけど、あなたが戻ってくる時、私達は、別の場所に訪問することもできる。

私のお気に入りは、Greenvilleなの。大きな湖のほとりにあって、人々はボートハウスを持っているの。とても素晴らしいところよ。」

ユージン、Siddiq、プリンセス、ステファニーは、レストランの外のテーブルに座って話をしています。

「街中のガードは、訓練生がほとんどなの。経験を積んでいるガード達は、周辺をクリアにする使命のために外に出ている。」

「それなら、かれらがあまりにも出来損ないだったことが、少し気持ちをよくさせてくれるわ。」

エローディーの働くベーカーリーで、カウンター越しにカップケーキを受け取っています。

「OK、私はもう一つカップケーキをもらうわ。あなたは私の手をねじったから。」とミショーン。

「私は、毎日、夕食を食べずに出かけると、カップケーキが貰えるような感じになっている。でもそれは、多分私だけね。」エローディー。

「彼らは、アイスクリームをもらったわ。あなたは、邪悪な人達のアイスクリームも食べないの?」とマグナに聞くYumiko。

夜、見晴らしの良いレストランのテラスで食事をする一行。(Yumikoとマグナ以外のメンバー。)「私は、普段はこの様な場所で食事をすることはない。彼らは、あなた達に良い印象を持ってもらおうとしていると思う。見晴らしが素晴らしいでしょう?」とエローディー。

ユージンとステファニーが歩きながら話をしています。

「あなたは私のアパートを見たい?」

「う〜ん。そうだね。」

「だめ。散らかっているから。と言うことではないけど。もし、あなたがこちらに引っ越したいと思ったら、空いている所を見てご覧なさい。場所によってどの様に違いがあるか、そして、そうね、そんな様なことを少しだけね。」

建設中の建物の隣を歩く、ステファニーとSiddiq。

「彼らは、常に拡張して、建物を改築しているの。沢山の建設関連の仕事があるわ。」

「それを俺はやろうかなと考えている。もしも、ここに戻ってきたら、そして、戻ってくるとは言わないが、もしかしたら… 」

エローディーのアパートで食事をしている二人。

「私は、料理は殆ど全くしていなかった。けれど、これは、うまく行ったわ。あなたは、調理台で私を働かせたことのお返しをもし何かするのなら、何か良いことを考えておいてね。」

「おぉ、心配しないで。私は、明日大きな事を予定しているから。」

フットボールの試合を観戦する一同。

「これは、本当に素晴らしい!」とミショーン。

「OK、私は、これはクールなものだと認めるわ。」とマグナ。満足げなYumiko。

ミショーンとランスの打ち合わせ

コモンウェルスの事務所の一室で、ランスとミショーンが話をしています。

「私とミーティングを行うことに同意してくて、ありがとうございます。

我々の尊敬するガバナー・ミルトンが、あなたと私が本日話し合いを持つことを頼まれたのです。」

「あなた方のもてなしに感謝します。ここ数日間とても素晴らしい時間をすごすことができました。彼女に私が感謝していたことをお伝え下さい。」

「私はたしかにその事を伝えます。そして、我々がお互いにこの相反する懸念事項の全てを取りまとめて終わらせたことに感謝しています。

そして、ご存知の通り、あなたのグループは、ガバナー・ミルトンを同行して、あなたのホームに戻る予定です。彼女は、あなた方のリーダーと愛、正式な話し合いが始まります。」

「はい。存じています。」

「あなたが彼らと一緒に行かないことをご考慮して頂くことは可能でしょうか?」

「なぜ、あなたはその様に言うのですか?」

「あなたは、娘さんとの再会を楽しんでいらっしゃり、そして、今からすぐに、彼女から離れて時間を過ごすことを考えていないと推測しています。

さらに、我々は、常にここコモンウェルスでより多くの法律家を使用することができます。」

「ランス、ここに留まることを既に考えていなかったと言ったら嘘になるわ。この場所は、パーフェクトからは程遠いけれども、魅力がある。」

「あなたは、まだ提供することができる全ての魅力を見ていないことを確約します。あなた様な才能を持つ法律家は、ここではとても快適に暮らすことができます。」

アレクサンドリアに向かって出発する一行

探検家のようなファッションに身を包んだパメラミルトン、後ろに俯いてセバスチャンがいます。

「それで、全ての準備はできているかしら?」

「ガバナー、我々は、最終準備を行っています。物資は既に積み込まれて、数分以内には出発の準備が整う見込みです。」とガードが答えます。

「ありがとう。」

「私が出ている間、ランスの言うことを聞くのよ。」

「ランスのバカにか。僕は、もう子供じゃない。そんな事する必要はない。」

「セバスチャン、私は真剣よ。女の子と遊んで、楽しみなさい。問題を起こさないでね。」

「Ok。Ok。過保護になる必要はないよ。」

「私は、あなたの母よ。私は常に全ての物事が良く分かっているようにしている。あなたは、何か自分にとってできる機会があるわ。あなたがしなければいけないことは、自分自身で取り組んでみることよ。

あなたの父を失ってから、辛い想いをしていることは分かっている。それは、常に簡単に分かることではないけれど… この世界は贈り物よ。

あなたは、時間をかけて自分の居場所を見つけなさい。」

豪華な馬車が留まっています。馬車の入り口のドアにMercerが手をかけて立っています。

「分かっている。俺は、偉大になる運命を持っている。そして、まだ自分の潜在能力を使っていない。分かったよ。そして、ごめんなさい。

これを今しなければいけないの?」

「あなたのお母さんにキスをして、それで終わりよ。」

「母さん、愛しているよ。」とパメラにキスをします。

「それで十分。少なくとも、あなたは良いことをしている。」

Mercerがドアを開けて、パメラが馬車に乗り込むのを補助します。

馬車のそばでミショーンとユージンが話しています。

「エローディーはどこだい?彼女は、君を見送りに来ないのか?」

「彼女は来ない。なぜなら、私は戻らないからよ。私は、娘とあまりにも長い間離れていた。彼女から再びさる事はできないわ。」

「そうなるのではないかと思っていた。もしもなんだったら、我々と彼女も一緒に連れて戻ればいい。君が、この場所についての説明をリックにすべきだとは思わないか?彼らは、我々のだれにもほとんど話をしていない。」

「彼にこれを渡して。」とミショーンは刀を手にとってユージンに渡す素振りをします。

「何?」と驚くユージン。

「私は、以前の私ではない。そして、もはや私は別の人間よ。私にはそれは必要ない。そして、それなしでここに私が留まることは、この場所についてリックが知る必要のある全てを伝えてくれる。」

「パメラが、必要となる話の方は全てできる。私が気が違ってしまって、彼女を信用する様になったと振る舞わないで。あなたあh、私達のホームに非常に優れた軍隊を導いていく。あなたは、私と同じ様に彼らを信用する必要がある。」

「我々は、常に君が必要だ。」

「ありがとう。でも、あなた達には(私は)必要ないわ。」

「我々は、直ぐに君に会えると確信している。」

ミショーンは、ユージンに背を向けて歩きだしています。ユージン達とコモンウェルスの一行も、出発しています。

6頭立ての豪華な馬車。屋根には旅の物資が満載されています。馬車の両脇をガードが固めて歩いています。ガードの多くは一部を除いて、徒歩です。ユージン達は、馬に乗っています。

「ステファニーは、我々と一緒に来ることを望まなかったのか?」とSiddiq。

「彼女は、やるべき仕事があった。彼女は、仕事の休暇を取ることができなかった。私は、彼女に別の時に彼女を連れて戻ると言った。」とユージン。

「君達二人は、良い感じになっているね。おめでとう。」

「私達は、ただの友人だ。」

「少なくとも、今の時点ではね。我々と同様にコモンウェルスにおいても、出産率は本当に問題となっている。我々は、意気投合した。我々は、もしもこれが持続可能であれば、人々は本当にもっと多くの赤ん坊を造り始める必要があると言うことを少し話した。」

「そうか。そうすれば良い。」

マグナとYumikoの後ろにいるプリンセスが興奮気味に話しかけます。

「私は、あなた達が住んでいる所を見るのを本当に楽しみにしている。そして、このリック・グリムスという人についての話から、本当に凄い人だと思っている。私は、今回の全てが終わった後で、選択肢があるなんて、信じられない。

私は、単に選ぶことができる。『私は、この人達と一緒に住みたい… いえ、待って、この人達と住みたい。』なんて感じでね。

そして、ヒルトップって場所は、再建中なんでしょう。という事は、全てが新しい?!全て、田舎風で落ち着いた感じなことに賭けるわ!」

「そうね。あなたの場所は、ヒルトップになるかもね。」とマグナ。

「良い子にしていなさいよ。この旅は長くなるから。」とYumiko。

夜にピッツバーグの街を背に橋を渡って進む一行。先頭は、ユージンとプリンセスです。

「分からない… 私はこの場所を恋しく思うかもしれない。」とピッツバーグのダウンタウンを背にして、プリンセスが言います。夜空には無数の星が輝いています。

キャンプ中の一行。大きなテントが張られ、入り口には護衛が立っています。外の地面に毛布をかけて 横になっているユージン達。YumikoとSiddiqが上半身を起こして、テントを見ています。

「彼女は、少なくともテントの中で寝る順番をくれても良いと思う。私達全員が寝ることのできる余裕があるわ。」とYumiko。

「黙りなさい。誰かに聞こえるわ。」とマグナ。

一行が移動している横で、馬に乗っているSiddiqとユージンが会話しています。

「全く、この戻る旅は時間が物凄くかかっている。」とSiddiq。

「より多くの人。その内の殆どは徒歩だ。しかし、我々は近づいている。」とユージン。

夜、テントの中でテーブルで食事を食べているパメラとMercer。

「彼らとのやり取りから集めることができた情報で何か興味深いものはある?役立ちそうな何かは?」

「ユージンは、スマート(頭が良い)です。… とても頭が良いです。『十分な時間を与えれば、多分、新しい車を作ることができる。』様な程、スマートです。

彼が役に立つことは、確実です。」とMercer。

移動中に馬車の窓から顔を出しているパメラ、横に馬に乗ったユージンがいます。

「ここからそう遠くないです。我々が少し急げば、日が暮れる前に戻ることができるかもしれない。」とユージン。

「あなた達、今の話を聞いたでしょ。進んで頂戴!」とパメラ。

馬車と馬に乗った者達だけ先に進んで丘の上から周りを見ています。

「彼らは、数マイルは我々から遅れて離れいないと思う。必要であれば、彼らは我々の後についてくることができるだろう?」とユージン。

「確かにそうだ。」とMercer。

「良いニュースは — 」、「我々は着いた。」

馬車の窓から顔を出して、パメラとマクスウェルがアレクサンドリアの周辺を見ています。

「なんて、肥溜めのようなところなの。」

「疑いようがないですね。(おっしゃる通りです)マダム」

マグナとユージンが並んで話をしています。

「私達は帰ってきた。… そして、あなたは、私達がここに着く前に兵士達を引き離すことすらしておいた。」とマグナ。

「彼らはそのようには思っていないだろう。下に降りて、彼らが私達に追いつく前に、リックに最新情報を伝えよう。

彼らが、見える通りに友好的であることを望むよ。」とユージン。

「彼らのためにね。」と自信溢れる表情でマグナに言います。マグナも目に自信が籠められ、ユージンの言葉と表情に納得している表情です。

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 あらすじ、感想と考察

178話で、プリンセスに倒されたセバスチャンに謝って、起き上がるのを手助けしようとしたエローディーに対して、セバスチャンは触るなと言って、エローディーの頬を殴りました。怒ったミショーンがセバスチャンと対峙すると、横からエローディーが、ここでのルールを良く知る必要があると言って、ミショーンを止めます。

ミショーンは、エローディーが言った意味について尋ねます。エローディーは答えません。横からセバスチャンが、彼のファミリーが秩序と安全を提供している。逆らうものは、秩序と安全を失うリスクがあると言います。

Mercerが、パメラがセバスチャンが好き放題にしていることを許しているが、だからといって住民の頬を理由もなくひっぱたく事は、望まないだろうと言います。セバスチャンは、理由がないと言う言葉にケチを付けて、ポイントを示したんだと言って、Mercerの頬を叩きます。Mercerは厳しい顔をします。

さすがに、セバスチャンも自分の身勝手な行いと言動に、気まずく思ったようで、ポイントは示したので、立ち去ると告げます。Mercerは、それがあなたにとってもベストだと言います。

Mercerは、権力者側のガードの隊長ですが、分別のある人であることが分かります。当たり前といえば当たり前かもしれませんが、人によっては、権力者にひたすら従順な態度をとる人もいると思います。Mercerは、良識があり、できる範囲で状況をとりなすように努めていることが分かります。

セバスチャンが立ち去った後で、Mercerはミショーン達に悪い人間もいるが、幸いなことに巨大なコミュニティーなので、その様な輩には長い間、会わずに済むこともできると言います。

Mercerは、ロッカールームでのガードとの不穏な感じの立ち話を聞いてしまったSiddiqに、鬱積する不満を抜くような会話が必要なことが理解できるだろうと言います。Siddiqも頭をかきながら、確かにと言います。

エローディーの部屋で、一同は集まって、MercerがSiddiqに言ったことについて、ミショーンがSiddiqに質問します。Siddiqは、聞いた話について説明します。エローディーは、Mercerが言ったことは、分かると言い、彼は運営には興味がないので、クーデターを起こすような考えはないと言います。更に深読みすると、彼はコモンウェルスの現状と彼の立場を気に入っているだろうと言います。この分析は的確だと思います。後で、アレクサンドリアに行く旅の途中で、パメラとMercerは一緒に食事をしながら、Mercerがコモンウェルスに役立ちそうな人物としてユージンを挙げています。Mercerが、パメラと一緒に食事をして、意見を求められるような立場にあることからも、エローディーの予測が的を得たものであることを示しています。

ステファニーもエローディーの意見に同意しています。彼女の説明の中で、コモンウェルスは階級社会となっていることが分かります。エローディーとステファニーは、コモンウェルスの階級の仕組みを説明します。ユージンは、一定の理解を示します。人が非常に多い場合は、そのような制度は機能すると言います。一方で、自分たちのコミュニティーの場合は、これまでに階級システムを使用するようなほど多くの人はいなかったと付け加えます。

その様な話を聞いて、マグナが激昂します。マグナは、黙ってその話を聞いてうなずいていることなどできないと言います。マグナは、既に十分見た。自分は、このコミュニティーには関わりたくない。帰ったら、二度と来ることはないと宣誓します。これは、マグナが階級社会を非常に嫌っていること、そして、彼女が属しているリックが指導するアレクサンドリアの運営スタイルを本当に気に入っていることを物語っています。

そして、このマグナの強い思いと彼女の戦闘を含めたリーダーとしての資質は、後に登場するミショーンのアレクサンドリアからの離脱後、これまでミショーンが果たしてきた役割などを補うことになることを暗示しています。

ミショーンは、マグナを制して、階級社会が悪いような印象があって、それは実際にそうでもあると断りながら、実際のところは階級制度というのは避けられないものだと言います。そして、ヒルトップを例に挙げて、全員がBarrington ハウスに住んでいるのではなく、トレイラーに住んでいる人もいる。そのことと基本的には大きく違いはないと言います。

マグナは、以前のミショーンの仕事は、法律家だったことを指摘します。ミショーンは、このことには関係ないと言いますが、マグナはそれが全てのポイントだと言います。立場、考え方が全く逆の構図となっています。マグナは、自分は正常な人がいる所に帰る時を待っていると言って、コモンウェルスの滞在を楽しむつもりは全く無いことを表明します。

ミショーンは、エローディーと一緒にコモンウェルスの街中を歩いたり、娘の職場のベーカリーに立ち寄ったりしています。マグナとYumikoを除くメンバーは、見晴らしの良いレストランで食事をしたりもしています。コモンウェルスの指導者側からのもてなしによるものと思われます。翌日、グループは、フットボールのゲームをスタジアムで観戦します。さすがのマグナも観戦に加わり、満足そうです。

ミショーンは、ランスとコモンウェルスの事務所で会談(打ち合わせ)を行います。ランスはパメラからの依頼で打ち合わせを行っていることを明らかにし、ミショーンにアレクサンドリアには戻らずに、コモンウェルスに留まることを提案します。

ユージン達とコモンウェルスのパメラが、アレクサンドリアに出発する日となりました。パメラは、探検家のような格好をしています。ビジネスの打ち合わせをするというよりは、探検をするような気分でアレクサンドリアを訪問する気持ちであることを表わしています。パメラの見送りにセバスチャンも来ています。パメラの乗る馬車はとても豪華です。

馬車のそばで、ユージンとミショーンが話をしています。エローディーが見送りに来ていないことをユージンが指摘すると、ミショーンはアレクサンドリアには戻らずに留まると述べます。ユージンは、予想していたようで特に驚くような様子は見せずに、冷静にミショーンがリックに説明するべきではないかと言います。それに対して、ミショーンは刀を、リックに渡してくれと言います。そのことについては、ユージンは驚きます。

ミショーンは、自分は以前の自分ではないので、刀はもはや必要ない。刀を持たずに滞在することは、リックに必要なこと、コモンウェルスがどの様なところかを伝えてくれると言います。

このミショーンの考えと行動は、ミショーンが変わってしまったということを明確に表わしています。しかし、まだコモンウェルスについて殆ど分かっていない状態であり、十分に信用できると言う状態には程遠いにも関わらず、コモンウェルスを信用している、または信用しようとしているという考えが伝わるだけで、そのことはコモンウェルスをリック達が信用して良いということにはなりません。

アレクサンドリアより遥かに優れたコモンウェルスの軍隊を連れて行くことは、ユージンがミショーンと同様に彼らを信用するということだと、ミショーンはユージンに言います。

ユージンは特に反論したりはせずに、「我々は君が常に必要だ。また近いうちにあると確信している。」と言って分かれます。

後で、ユージンがこの時点でそれほどコモンウェルスを信用していないこと、そして、コモンウェルスの軍隊よりも遥かにアレクサンドリアが強いと考えていることが179話の最後のマグナとの会話などから判明します。

ほとんど詳細を明らかにせずにいるコモンウェルスを安易に信用することなどできないのは当たり前です。また、軍隊を連れてくることが危険と考えているのであれば、懸念を示したりすると思います。脅威にはならないというのがユージンの考えです。このような発言をミショーンがすることも、彼女が大きく変わってしまったことを明らかにしています。

コモンウェルスの一行は、パメラの乗る豪華な馬車と大人数の歩兵が中心の構成です。馬に乗った兵士もいますが、少数です。旅の構成もコモンウェルスが階級社会であることを象徴しています。

一行は、プリンセスの住んでいたピッツバーグのダウンタウンを通過して橋を渡ります。行きとは全く違う大所帯です。プリンセスは、少し感傷的な感じで、もしかしたら、ここに住んでいたことを恋しく思うかもしれないと言います。孤独であっても、長い期間過ごした街であり、複雑な想いもあるのではないかと思われます。この様な登場人物の微妙な心理描写も、ウォーキングデッド コミックは、上手に描いています。

キャンプでは、パメラの宿泊するテントはとても大きく、入り口は護衛が立っています。テントの中では、人が立っても十分な高さがあり、テーブルの上で給仕がプレートを出しながら食事できるほどです。Mercerはパメラと一緒に食事しています。Mercerも特別に良い待遇を受けていることを示しています。パメラは、Mercerに興味あるような情報を入手したかと聞き、Mercerはユージンがとても頭が良い、役立つことは確実だと言います。

ユージンは、パメラにアレクサンドリアに近づいており、急げば日没までに到着すると伝えます。パメラは、一行に急ぐように言い、馬車と馬に乗った者達だけ先に行くことになります。歩兵を後に残して先に行かせるユージンの思惑どおりの展開となります。

パメラは、アレクサンドリアを見て、とんでもない肥溜めだと言い、マクスウェルもその通りだと言います。彼らが、コモンウェルスは近代的な文明社会の上層部(支配者層)であり、原始的なコミュニティーを訪問しに来たと言う心理を物語っているシーンです。

マグナは、ユージンの隣に来て、ユージンの思惑通り、歩兵を残して先に戻ってくることができたと言います。マグナは、頭が切れることを示しています。

ユージンは、コモンウェルスの人たちはそのことに気付いていないだろうと言い、リックに素早く情報を伝えようと言います。そして、彼らが見かけ通り友好的であることを望むと言います。「そしてその後に、彼らのためにね。」と自信に満ちた目で言います。マグナも納得げな目をしています。

もしも、コモンウェルスが変な考えを起こして、攻撃したら、恐らく、リック達は、簡単に制圧できると思われます。これまでに経験してきたことの差は、あまりにも大きいです。コモンウェルスは、一見近代的に見えますが、封建的な社会であり、生き残るための個人の能力や経験には大きな隔たりがあります。そして、アレクサンドリアは、差別のないコミュニティーです。優秀な人材も揃っています。そのことを、ユージンとマグナの短い会話は明確に示しています。

表紙では、ミショーンの刀を背負ったユージンが、背後からコモンウェルスのガードに銃剣を突きつけられて従わされているようなイメージの絵が描かれていますが、実際のユージンの心境は全く逆であるということを示唆しているものと思われます。表紙と最後のページを見比べると対象的であることが分かります。

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英語版ウォーキングデッド コミック 179話

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