183話の表紙は、エローディーをミショーンが支えようとしているところで、その後ろには火炎瓶などを持った住人が前方に並ぶガード達に向かっていくシーンです。タイトルは、”And Michonne Without Her Sword”(そして、刀無しのミショーン)。
ネタバレ
ミショーン、エローディー、中央にコモンウェルスのガードの3人が馬に乗って、きれいに整備された並木道を進んでいます。
「ジェローム、あなたは、私達と一緒に来る必要は全く無いわ。私は、自己防衛能力は相当高いのよ。」とミショーン。
「すみません。これはコモンウェルスの決まりなのです。あなたの地位にある人が、コミュニティー間を旅行する際には警備が同行しなければなりません。」
「ママ、本気で言ってるの… 特典を単に楽しむようにしなさいよ。
以前、グループ全員がGreenvilleに行きたい希望を出すまで待たなければならなかった。安全には順番がある。これは、素晴らしいことよ。」
「私は、ジェロームのような人は、別のどこかを担当する方がより良いと思っただけ。それだけよ。」
「マダム、ご注意下さい。そうでないと、私をいじめていることになります。私は、ここ以外にやるべきことはありません。」
「ママ、あなたは、Greenvilleを凄く気に入ると思うわ。それはとても– 」
「シーー! ジェローム」
「見えています。」
前方にウォーカー達がいます。ジェロームは馬から降りて、ウォーカーズの方に向かっていきます。
「下がって、待っていてください。私が、行先をクリアにします。」
「静かにして。彼らはもっといるかもしれないわ。」
「これは、私にとって初めてのことではないです。」
ジェロームが、ウォーカーズに近づいて、銃剣を使用して倒しています。
「彼らは、とても近くにいる。… 私達は、離れるべき… 」
「私達は大丈夫よ。そのままにしていなさい。」
「おぉ、神様– 」ジェロームが目を開いて驚いた様子です。
多数のウォーカーズが次々にやって来て、ジェロームに襲いかかります。ジェロームは銃を落としてしまいます。
ミショーンが馬から飛び降ります。
「ママ、止めて!」
「彼は助けが必要よ!」
ミショーンはジェロームが落とした銃を拾い、構えます。そして、倒れているジェロームに襲いかかっているウォーカーズ達を銃剣で倒します。
「起きなさい!急いで!」
起き上がったジェロームの前に立って、銃を撃ちまくり前方にいるウォーカーズ達を一掃します。
「あなたのライフル。」と言って、銃をジェロームに返します。
「ありがとう。」とジェローム。
「ママ?」とつぶやく驚いた顔のエローディー。
「レイディー、あなたは、旅の残りを先導したいですか?」
「そして、あなたの武器を汚す機会を奪う?それはないわ。」
「あなたには、本当に驚かされるわ。」とエローディー。
「それは本当?」
「気にしなくて結構です。翌日位には、誰かが、彼らを片付けてくれます。」
3人は並木道を進んでいきます。
そして、景色に感動するミショーン。
「あなたは気にいるって言ったでしょ。」とエローディー。
眼の前には、美しい湖。日が沈みかけています。ヨットが数艘見えます。手前のデッキには、人々が様々なことをして楽しそうにしています。
「淑女の皆様、Greenvilleにようこそ。」とジェローム。
「私は、ここが本当に好きになると思う。」とミショーン。
役目を果たしたジェロームに別れの挨拶をしています。
「良い時間をお過ごし下さい。私は行きます。」
「ジェローム、ありがとう。」
「素晴らしいホステルがあって、そこに滞在できる。別の宿泊客達は、やかましいかもしれないければ、そんなに悪くないわ。」
「あなた方は、ミショーンとエローディーですね?」
「はい。そうですが? そして、あなたは?」
「私は、Clorisです。ランスが、あなたの到着を無線で連絡してくれました。あなたのために予約してあるキャビンがあります。」
「私は、あなた方の馬を、帰りの準備ができるまで、留めておくことができます。ここがあなた方の滞在するところです。」
湖畔でボートデッキが付いている素敵な感じのキャビンがあります。
「これはヤバイ。」とエローディー。
ボートに乗って、釣りをしている二人。湖畔のアウトサイドのレストランで食事をしたり、眺めの素晴らしい居室でゆったりと過ごしています。
ミショーンは、ボートデッキ(桟橋)の先に立っています。ミショーンは、湖を見て涙を流しています。心配したエローディーがやってきて、声をかけます。
「ママ、どうしたの?」
「何でもないわ。」
帰りの日となり、ガードが迎えに来ました。馬を引いてガードと話をするミショーン。
「それで、あなたの名前は?」
「RUFUSです。私があなた方の帰路に同行します。」
「あの、待って下さい。」とClorisが袋を抱えて来ました。
「帰りの途中でお腹が減った時のためにどうぞ。」
袋の中には、フランスパンやワインが入っています。
「なぜ、どうもありがとう。Cloris。」
「Greenvilleの滞在をお楽しみになられたら幸いです。そして、また近い内にお越し下さることをお待ちしております。」
「準備できた?」と馬に乗ったエローディーが聞きます。ミショーンは、前の家族を見ています。
「でも、僕はあれが欲しい。」と少年がお母さんの袖を掴んで言います。
「カーティス、はしたないことはしないの。私達が手に入れることができないの知っているでしょう。」
「でも、ママ!」
隣の少女も、「ママ、私もお腹が減っているわ。」と言います。
「ちょっと待ってて。」とミショーン。
「ごめんなさい。お邪魔するつもりではないのですが、これをいかがですか?あなたとあなたの子供達に?」ともらったフランスパンとワインなどが入った袋を持って言います。
「何ですか?」
「私達には多すぎるのです。」
「寛大なお心遣いありがとうございます。」
「お手伝いできて、嬉しいです。」
馬の所に戻ってきたミショーン、Clorisが腰に手を当てて不機嫌そうです。
「とても素敵なワインととても高価なチーズが入っていたのですよ。」
「ごめんなさい。彼女達は、私達よりも必要としているように思えたのです。」
ガードが先導し、ミショーンとエローディーは馬に乗って出発します。
帰りの途中の路面を見て、「ジェロームが正しい。ボディーは無くなっている。何も起きていなかったようになっているわ。」とミショーン。
住宅地に戻ってきた所で、3人の目の前を女性が走っていきます。続いて、複数の住人達が道を走って横切ります。
「ちょっと!」とミショーンが横切ろうとしている男性に声をかけます。
「どうしたの?!」
「彼らが、誰かがオフィサー(警官)を攻撃したと言っている!」
「何?!」と言って、ミショーンも走り出します。
「ママ、待って!」
複数のガード達が、倒れている男性に暴行を加えています。周りを住民達が取り囲んで見ています。ガードは、警棒で叩いたり、足蹴にしています。
人混みをかき分けてミショーンが様子を見ます。「神様!」
「これを止めなさい!」と言って、ミショーンがガードにタックルします。
倒れている男性を警棒で殴りつけようとしているガードの前にミショーンが入って、「彼に暴行するのを止めなさい!」と言います。
警棒を振り上げているガードは、ミショーンに気づきます。
「ジェローム?!」
部屋のソファーに座って、顔を抑えているミショーン。ドアをノックする音が聞こえます。ドアを開けると、ランスでした。ガードもいます。
「何が起こったのか聞いたよ。」
「それなら、あなたは私よりも良く知っているかもしれないわ。」
「男性、彼は大丈夫?」
「ここで待っていろ。」とランスがガードに言い、ミショーンの部屋に入りソファーに座ります。
「彼は大丈夫ではない。彼は生死の境にいる。彼の脳は大出血している。彼が持ちこたえることができるか不明だ。」
「… 」無言のミショーン。
「私は警官と話をした。彼らは、攻撃を受けた。それが、このことの始まったきっかけだ。その男性、アンソニー・キース、私は言葉を注意して使う、犠牲者とは呼ばない。言い争いの後に、ガードの一人を攻撃した。
女性問題のもつれが背景にある。アンソニーの妻が、警官の一人と浮気をしていた。」
「これは本当に悪いことよ。」
「そうだ。目撃者によると… 言い争いを見て、アンソニーが警官たちを攻撃したのを見た。しかし、過度な暴行によってその目撃の部分は軽視されている。
人々は全て非常に怒っている… そして、ここコモンウェルスでは、噂は広がるのが早い。」
「これがどの様な展開になるか分からない。私は、アンソニーの無事を心配している。でも、これは、とても危険で、とても早く、何かを引き起こしかねない。」とミショーン。
「そうだ。その事だ。我々は、我々の警官たちへの信頼を失うことはできない。… さもなければ、彼らが提供する保護… または、彼らに対する武力行使の決断が伴う。
我々は、その観点について、君の手伝いが必要だ。これは、君の最初の案件となる。」
「関係した警官たちの弁護を君にしてもらいたい。彼らは、何も悪いことをしていなかったことを証明して欲しい。
これは、要求ではない。」
ミショーンとエローディーがレストランで食事をしています。
「あそこで、直ちに彼にタックルしないように自分を抑えるのがやっとだった。エローディー、命令を私は受けないわ。」
「それは、状況をさらに悪化させるだけよ。あなたは、今、彼らの一員よ。あなたは、彼らに証明するまで、それらの様な物事についてうまく対処しなければならない。
ママ、私は何を言って良いのか分からない。あなたは、何をしようとしているの?」
「分からない。裁判となったとしたら、全ての人は弁護する権利を持つことは、分かっている… でも、これがどの様に見えるのかは分からない。」
「おかしなことよ。ジェロームは、とても良い人の用に見えた。そして– 」とエローディーが話している横を通りかかった女性が、「あれらの男達を守ろうとどうしたら、できるの!」と言います。
「私は、まだ取り掛かってすらいない。そして、話題は既に広がっている様に思う。ランスは、– のようなタイプではない。」
「ミショーン。」
「ランス。これは予想していなかったは。今、私に何ができるのかしら?」
「君は最初に知っておくべき人の一人だと思ったのでね。」
「アンソニーキースは、死んだ。」
ミショーンのアパートの前に人々が集まってプラカードを掲げています。一人の男性を集団で暴行して死に至らせた警官達の弁護を行うことに反対するメッセージなどが書かれています。
エローディーは、集まっている住民達に止めるように言います。
「私の母に構わないで!彼女がこの問題を引き起こしたのではないわ!」
エローディーが人々を罵ってアパートに戻ります。
ドアの所に立っているミショーン。「あなたは、物事を更に悪化させただけよ。」
「既に酷く悪化しているわ。私の友達ですら、何かを行うことについて話し始めている。私は心配だわ。」
「 … 」無言のミショーン。
アパートの外では、ガード達と住民の間で衝突が発生しました。ミショーンの事務所の窓にゴミ箱が投げつけられ、窓が割れます。ミショーンはエローディーをかばって素早く移動します。人々が、割れた窓の中から侵入してきます。
「逃げて!」とミショーンがエローディーに言います。「あなたを置いていかないわ!」とエローディーは、ミショーンの傍に留まります。そこにガードのジェロームが現れ、ミショーンに掴みかかっていた男を引き離します。
「彼女から手を離せ!」
ミショーンは、男に肘打ちします。「下がっていなさい!」
「全員、立ったまま動くな!後ろに下がっていなさい。」とジェローム。その間に、割れた窓から、ミショーンが外に出て、エローディーが出てくるのを手伝います。二人はその場から走り去ります。ジェロームは住民に囲まれています。
「走るのよ。」
「でも、ジェロームが!」
街に暴動が発生しているのを馬車から降りてみているパメラ。リックも驚いています。
あらすじ感想と考察
手入れされたきれいな並木道を馬に乗ったミショーン、エローディー、ガードのジェロームが道を進みながら話をしています。ミショーンは、自分には護衛は必要ないと言いますが、コモンウェルスの決まりで、ミショーンの地位の人は護衛無しでコミュニティー間を移動することは認められていないとジェロームは言います。エローディーは、特権階級に与えられる恩恵を楽しむべきだと言います。ミショーンは、人材を有効に使うべきだとの考えで、必要のない護衛が付くことに懐疑的です。
前方にウォーカーズが現れます。ジェロームが先に行きウォーカーズ達を倒しますが、更に多くのウォーカーズが押し寄せて、ジェロームは銃を落として、押し倒されてしまいます。ミショーンは、素早く馬から降りて、ジェロームが落とした銃を取り、ジェロームを救出します。ミショーンの戦闘能力の高さに、ジェロームとエローディーは驚きます。ジェロームは、倒したウォーカーズ達の後片付けは、通常翌日には行われて、きれいになると言います。
目的地Greenvilleは、眺めの良い湖畔の行楽地です。人々が楽しげに過ごしています。ミショーンは、景色に感動して、ひと目でGreenvilleを気に入りました。護衛の役目が終わったジェロームに別れを告げた後、Clorisと言う女性が二人を迎えます。Clorisは、ランスから無線で連絡を受けて、二人のためにキャビンを予約してあると言います。馬は、Clorisが出発まで預かることができると言います。まさに至り付くせりの待遇です。
ミショーン達のキャビンは、湖畔にありリビングから湖を一望できます。さらにボートデッキもあります。二人は、ボートで釣りをしたり、屋外のレストランで食事をしたり、キャビンでゆったりと時間を過ごしたりしています。ミショーンは、桟橋の先の所に立って景色を眺めて、涙を流しています。美しい景色に感動して泣いているようです。また、何か思い出しているのかもしれません。
帰路につく際の護衛が来ました。Clorisは、途中で空腹となった時にとワインやフランスパンの入った袋をミショーンに渡します。その時、食料を販売しているスタンドの前にいる親子の会話を耳にします。男の子が食べ物を欲しがっていますが、母親は手に入れることができないので我慢するように言っています。その隣の少女もお腹が減っていると言っています。ミショーンは、親子の所に行き、差し出がましいが、これをどうぞとClorisからもらった袋を、母親に渡します。Clorisは、袋の中には高級ワインと高価なチーズなどがあったと言います。ミショーンは謝りながら、自分よりも彼女達のほうが必要に思えたからと言います。この様な考え方は、リック達のコミュニティーの共通の考えでもあります。
帰りの途中で、行きに倒したウォーカーズ達が何も起きていなかったのようきれいに片付けられているのを見て、ミショーンはジェロームの言った通りだと言います。コモンウェルスの住宅地内を通過する所で、多くの人々が道を横切っていく場面に出くわします。ミショーンが、走っている男を呼び止めると、誰かが警官を攻撃したと言います。ミショーンも、走っている人の後を追いかけます。そこでは、ガード達が集団で一人の男に暴行を加えていました。ミショーンは男を殴ろうとして棍棒を振り上げているガードと男の間に入ります。そのガードは、ジェロームでした。
ミショーンは部屋のソファーの上で顔を抑えています。相当ショックを受けたようです。そこにランスがやってきました。ランスは、ガードに暴行を受けていた男は、アンソニー・キースという名であること、事の発端は、妻の浮気の相手のガードと口論となり、アンソニーが攻撃したと言います。アンソニーは、脳出血しており、重体で助からないかもしれない状態です。ミショーンは、アンソニーの状態も心配だが、暴動に発展する危険性もあると述べます。ランスも同意した上で、警官たちの信用を失うことはできない。警官たちの弁護をするように言います。
エローディーとの夕食の時に、ミショーンはランスに対しての気持ちを抑えるので精一杯だったと言います。そして、命令には従わないつもりだと言います。エローディーは、それは状況を更に悪化させるだけだと言います。エローディーは、ミショーンは権力者側の一員なので、やりくりする必要があると言います。
ミショーンは、被告は弁護する権利があると言い、しかし、これがどの様に大衆の目から写るのかと言うことを気にしていると述べます。そこにランスがやって来て、アンソニーキースは息を引き取ったと伝えます。
ミショーンのアパートの前に住民が集まり、ミショーンが警官達の弁護をすることを非難しています。エローディーは、住民達に罵声をあびせます。ミショーンは、エローディーの行動、言動は事態を悪化させるだけだと言いますが、エローディーは事態は既に悪くなりすぎていると言います。彼女の友人たちですら、行動を起こすことを話していると言います。
アパートの外では、警官と住民の衝突が激しくなり、ミショーンの事務所の窓にゴミ箱が投げつけられて、窓ガラスが割れます。ミショーンは、エローディーをかばって倒れます。暴徒達が事務所の中に侵入して、ミショーンを掴みます。そこにジェロームが現れて、ミショーンを掴んでいた男を引き離します。ミショーンとエローディーは、事務所から脱出して、逃げます。
コモンウェルスの街中は、暴徒によって大混乱の状態となっています。そこに奇しくもパメラとリック達が到着します。
今回の話、出来事は不可解なところが多いです。警官と男がもめて、男が暴力を奮ったと言うだけで、人々がその場に駆けつけて集まるということ事態が普通ではないと思います。皆が野次馬となるのが大好きな社会なら別ですが。。。そして、一人の男に対して、武装した警官が警棒を使って、死に至るほどの殴るけるの過度な暴行を行うことも異常です。
そして、弁護士が暴力を奮った警官を弁護すると言うだけで、反対する住民達がいることもおかしいです。
住民達とガード(警官)の間に過剰なほどの憎しみが互いに存在していなければ、説明が付きません。一見、コモンウェルスは豊かな文明社会のように見えますが、文明社会とは相反するようなことが次々に起きて、最終的に暴動になっていると言うような状況です。
この様な混乱した状況の中にリック達が到着します。リック達は、1ヶ月近く滞在する予定のようです。滞在中にさらなる混乱や出来事が起こる可能性は高く、リック達も巻き込まれることが予想されます。
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