ウォーキングデッド・コミック 151話 「武力行使」 あらすじ・考察・感想

ウォーキングデッド コミック 151話 表紙のDwight コミック あらすじ ネタバレ
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The Walking Dead コミック151話のタイトルは、Call to Armsです。日本語では、「武力に訴える」、「武力行使」と言う意味になります。表紙は、Dwightが銃とニーガンのバットを持ち、戦闘態勢にあることを感じさせる絵柄です。

151話『武力行使」あらすじ

ウォーカーズとの戦闘で見せたDwightのリーダーシップ資質

ウォーカーズ(ゾンビ)達が林の中をさまよっています。特定の方向に進んでいることから、ターゲットがいることがうかがわれます。ページをめくると、整列して銃を構えた迎撃体制にあるメンバー達とそれを指揮するリックが登場します。メンバーの一人が、「囲まれています。」と言うと、リック (Rick Grimes) は、『皆、落ち着いて。これは、我々が望んだ通りの展開だ。奴らをひきつけて、倒す。ゆっくりと落ち着いて、狙いを定めるんだ。銃弾を使いすぎないように!訓練してきたことそのものだ。」

Dwightが、「流れは、我々の方に近づいている。的確にとらえて、直ぐに構えをもどすんだ。体制を崩さないように!」と皆に指示して、全員が一斉に発射します。指示通り、前列のウォーカーズ達に命中します。

リックは、「いいぞ!あと少し残っているだけだ!うまくいっている!」と嬉しげにコメントします。「よし!再編しろ!急げ!」とDwightが号令をかけます。うまくいって、安堵しているリックと、気を許さずに引き締めた表情で号令をかけるDwightの表情が対象的に描かれています。

「こっちはうまくいっている。続いて!」、「急げ急げ」と号令しているところで、「私を引き込んで何をするわけ?」と質問されて、銃を構えるDwightは、「お前が好きなことだ。」と答えて、ウォーカー達を次々に倒していきます。

メンバー達は縦と横の2方向に整列して、2方向に向かって、銃を撃っています。背後から数人のウォーカー達がメンバーに近寄ってきました。ウォーカーズがメンバーの一人を背後から掴んで、襲いかかるのを見つけたリックは、素早く近づいて、ステッキでメンバーを襲っているウォーカーズを突き刺して倒します。

ウォーカーズと一緒に倒れたメンバーを、リックが手を差し伸べて立ち上げようとしている時に、複数のウォーカーズ達がリック達に向かってきました。リックは銃を構えて撃ちますが、弾はウォーカーズの肩を掠めます。少し動揺したリックの表情がアップになります。

次のシーンでは、リック達を襲ってきた複数のウォーカーズ達の頭を的確に撃ち抜くシーン。撃ったのはDwightです。「皆、分散しろ!我々は囲まれた。円陣を組んで、それぞれが前の敵を倒すんだ。必要な場合は、我々が退却する場所を作れ!いくぞ!」とDwightが指示を出します。

次々に倒されるウォーカーズ。円陣の中央で、メンバーに的確に号令をかけるDwight。続々とウォーカーズ達は倒れていきます。

状況は収束し、背後でメンバーが後片付けを行なっている中、木陰で腰掛けるDwightに近づくリックに、「皆の状態はどうだ?」と尋ねます。「動揺しているが、大丈夫だ。状況をうまく管理できるだろう。今までより、うまくできるようになるよ。Dwight.」、「今日のことは、我々にとって良い経験となった。彼らは彼らのやり方で戦う必要があった。学ぶことも多かった。私もたくさんのことを学んだ。」とリックが答えます。

「あなたは何を学んだんだ?」と聞き返すDwight。

「私の存在は負担だった。ここにいるべきではなかった。」、「私の警察的な訓練は、大なり小なり負担をかけるものだった。本当に彼らが必要なものではなかった。君は、明らかに軍隊レベルのトレーニングのスキルを持っている。」とリックは答えます。

「だから、俺はサンクチュアリを去ったんだ。このような責務を欲しくなかったからだ。俺はリーダーにはなれない。」と言うDwight.「今更、手遅れだ。君は、君だ。前には戻ることはできない。我々は、君が必要だ。」とリックは述べます。無言のDwight。

リックとメンバーの帰還

場面は変わって、部屋の中で無線機を整備しているユージン。無線機の操作をして、「こちらはユージン・ポーター、オープンエアで声をかけています。誰かいますか?」とマイクを口に近づけて送信しています。

ゲートにメンバーが帰ってきて、迎えてきた家族と抱き合って、会話をしています。リックは、まあギーを見つけて「マギー、これから出ていくとこなのか?」と尋ねます。「ええ。我々は、とっくに帰る時を過ぎてます。2週間もここにいるべきではないと思うわ。もう帰るべきときだと思う。今、荷物をまとめている所です。明日の朝に帰る予定よ。」とマギーは答えます。

「君は、何人必要か決めたのか?」とマギーに質問するリック。

「私はここに残ります。何人必要ですか?」とジーザスが尋ねます。

「あなたがここにどどまるのだから、少なくなるわ。私は、最低10人いればと思っています。帰ってから、何人そちらに送ることができるか決めます。」とマギーは答えます。

「ありがとう。アンドレアにカールとリディアは安全だと伝えてくれ。こっちに戻ってきても大丈夫なこと、もしも彼が望むなら、カールはリディアを連れてかえることもできると伝えてほしい。」

「分かった。伝えておくわ。」とリックの肩に手を乗せて、リックの気持ちを良く分かった表情でマギーは答えます。

ウォーカーズとの戦闘で、リックが助けた男がリックを追いかけきて、リックに「お邪魔して、すみません。どれほど感謝しているか気持ちを伝えたくて・・・」と言うと、「私に感謝など必要ない。Dwightに感謝しなさい。彼は、君と私を助けてくれたのだから。」

「今日だけのことではないです。私があなたにした事の後で、私はここにいるべきではないと思っています。」と男は言います。「その様なことはもう何も気にすることはない。我々は、以前よりも強くなっている。悪い出来事は、君を悪い人間にするわけではない。一つの過ちで君はいるべきではないということにはならない。過去を反省してそれを帳消しにする様な良いことをすることを考えるべきだ。」、「分かるか?それが我々がこれからすることだ。」と語って、少し考え込むリック。「リック?」、「すまない。ちょっと考えていた。」

ガブリエル神父の意思と提案

ニーガンを拘束している牢屋の階段を降りていくリック。「今日、俺が何かできることがあるか?恐れを知らないリーダーさん。」とニーガンが尋ねます。無言でニーガンを見つめるリック。少し間をおいて、「何もない。お前をチェックしただけだ。」と言って、立ち去ろうとするリック。「そうか。いつでも、仲間は大歓迎さ。」と階段をのぼるリックに、ニーガンは声をかけます。

外に出て帰ってきたリックは、ドアの前に座っているガブリエル神父と対面します。「ガブリエル?」、「ちょっとお時間を頂戴できますか?」、「ああ。」

「あなたが私にしてくれたこと全てに感謝します。家を与えてくれ、教会を運営させてくれたこと、神に捧げる場所を与えてくれたこと。そして今、私は別の方法で奉仕したいです。」

「我々の人々の魂を守ることだけでは十分ではないと考えています。そのことを行なってきて、良い仕事をしてきたと思っています。しかし、私はもっとできる。本当に守ることができる。戦士としてあなたの役に立つことができると思うのです。あなたが許可してくれたら、他の人と一緒に訓練を始めたいと思っています。」

「我々は助けが必要です。明日から始めてもらうこともできます。ご参加を歓迎します。ありがとうございます。」

ミショーンとリックの会話

リックが部屋に入ると、ミショーン(Michonne)がソファーで寝ていました。起きたミショーンは、「寝てしまって、ごめんなさい。お別れを言うために待っていました。なんでこんなに遅くなったの?あなたは大分前に戻ってきたと聞いていたのだけれど。」とリックに言います。

「いろいろ野暮用ができてね。」とリック。

ミショーンは、手を上げて伸びをしながら、「数日後に、ピートが私達を連れて、別の航海に出かける予定なの。私はそれまでに帰る必要があるのよ。」とリックに言います。

ピートは、オーシャンサイド・コミュニティーのリーダーです。ミショーンは、以前、オーシャンサイドで働いていたことがあります。

「そのことはもう終わったと思っていた。」

「何が終わったと思ったの?」

「バカな振りをしなくて良い。ボートを隠して、自分を悲惨にさせている。」

「ピートは私を必要としている。」

「馬鹿げている。ピートは、一人でボートに乗っても大丈夫だ。それに、彼は必要な手伝いは全て得ている。君が彼の手助けにならないと言うつもりはないが、彼は君なしでもやっていける。」

「私は、単に彼の前から姿を消すことはできない。」

「えっ?」

「私には(その仕打ちを受けるのに)ふさわしい。それ以上何も言わないで。」

「あなたは、私がここにどどまるべきと思っているのね。私が必要なの?」

「ああ。強くそう思う。」「しかし、ここではない。キングダムに行ってもらいたい。」

「そう言われると思っていたわ。」

「君はEzekiel と一緒に住んでいた。皆、君のことを知っている。彼ら(キングダムの人々)は、君のことが好きだ。彼らは良い人達だ、しかし、彼らの中にリーダーとなれると思う人がいない。Ezekielがいなくなって、行き場を失っている。彼らは、リーダーが必要だ。彼らは君が必要だ。」

「この場では、正直に話す。分かっている。」「彼らは、Ezekiel無しでは、どうすれば良いのか分からない。崩壊してきている。私は彼らのことが心配よ。彼らのことを、真剣に考えていたわ。実のところ、私も行くことを考えていた…私は後押しをしてもらうことが必要だっただけ。ありがとう。」

「そうか。だったら話は簡単だったね。」リックは優しげな目で、ミショーンに言います。

「マギーがヒルトップにいて、私がキングダム…あなたは、セイバーズに誰を送るの?」

「そのことについては、考える機会がなかった。しかし、そうだね… 私が信頼できる人と一緒に取り組みたい。誰かお勧めはいるかな?」

「私の中で浮かんだ人がいれば、教えるわ。カールは、いくつになったの?」

無線機で外部に呼びかけるユージン

場面は代わって、「こちらはユージン・ポーター、オープンエアで声をかけています。誰かいますか?」机に向かって前かがみの姿勢のユージン。マイクを置いて、少し寂しげな顔が映し出されます。無線機器には反応がありません。手で顔を覆うユージン。機器のライトがオンになりノイズが入ります。

「ユージン・ポーター、声がはっきりと聞こえました。こちらの声は聞こえますか?どうぞ。」と無線機から返事が入りました。驚愕するユージンの目のアップで151話は終わります。

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感想と考察

ウォーカーズとの戦闘で、集団を率いて的確に指示を出すDwightの戦闘におけるリーダーの資質が明確になりました。リックは、コミュニティー全体を統率するリーダーとしての資質に優れていますが、戦闘集団を率いるのは得意ではないようです。リックの前職は警察官であり、軍隊のような隊を率いて集団で戦闘する経験はありませんでした。Dwightは、軍隊を率いるスキルに優れていることを、リックは認識を深めます。

Dwight自身は、リーダーには向いていないと思っていて、そのことがサンクチュアリを去った理由だと語っています。

ガブリエル神父は、戦うスキルを身に着けて、人々を守りたいという意向をリックに告げます。神父の役目から、戦士へ転身したいということなのでしょうか?それとも、神父を続けながら、戦うすべも身に着けて、人々に貢献したいと意向なのかもしれません。印象としては、前者の可能性が高いように思いました。ガブリエル神父の考えは、今後の展開で明確になってくると思います。

ミショーンとリックの話し合いは、話の流れから、ミショーンにキングダムのリーダーとなって欲しいと言うリックの頼みに繋がり、ミショーンも同意します。軽い口論になりそうな展開から、本音の話し合いへと発展して、あっさりお互いに同意する流れとなりました。

ウォーキングデッドは、登場人物の細かい心理描写なども上手に描かれているのが特長です。

ミショーンとの会話は、奇しくも、セイバーズ(サンクチュアリ)のリーダーを誰にするかで終わります。資質と適正からは、Dwightが申し分のない筆頭候補となりますが、本人が希望していないことが分かっているので、実現は難しいことは明確です。前半のDwightとリック、後半のミショーンとリックの話題を上手に繋げていると思います。

ミショーンは、カールが適任と考えているようです。リックの反応は、151話では描かれていません。リックの気持ちと考えは?カールがセイバーズを率いる可能性などについては、次回以降の楽しみとなっています。

最後は、無線で外の世界に呼びかけていたユージンに応答があったという衝撃的な展開で幕を閉じています。ここから、新しい編へのスタートとなっています。

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英語版のウォーキングデッド コミック 151話

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